キミのとなり。
「ハァハァハァハァ…」


「ハァハァハァハァ…」


しばらくしてさっきの女性二人がやってきた。


『ハァハァ…どこ行っちゃったんだろー。』


『ってかさー、一緒にいたの誰?女じゃなかった?』


ドキッ!


『マネージャーとかじゃない?』


『彼女だったりして!?』


『んな訳ないじゃん!あんな地味な女、有り得ないよー。ジンだよ?』


グサッ……


『だよねー、あぁ見失ったぁ。』


『もっと向こうじゃない!?』


『よし!行こ!』


去って行く彼女たちを息を潜めて見ていた。


「行ったか。」


「…うん。」


仁は私の手を離しまたニット帽とサングラスをかけた。


そりゃそうだよね……。


女優やモデルならともかく、なんで私みたいなド素人が仁の隣にいるのか……不思議だよね。


どう見たって私じゃ釣り合わない。


仁はもう私とは住む世界が違うんだ……。


そう改めて実感する瞬間だった。



出発時刻になり飛行機は私達を乗せて日本へ飛び立った。


こうして、楽しかったはずの2泊3日のグアム旅行は複雑な心境のまま幕を閉じた。

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