キミのとなり。
【お土産ありがとうございました!さっきお礼言ってなかったから。それと、旅行ってもしかしてジンと!?】


 ……。


すかさず返信――


【ノーコメント。】


私からの返信に少しむくれて見せた後、桜井君はまたすばやくキーボードを打つ。


『新着メール受信』


【ほんまに“ジン”と付き合ってるん?】


【ノーコメント!!】


【じゃー土産のお礼に今日晩飯行きましょ!】


【なんで、そういう話しになるかな!?】


【じゃー昼飯!!おごります!】


何度拒否しても食い下がる彼がなんだかかわいかった。


【じゃー食堂の生姜焼き定食おごって!一番高いやつ!!】


私がそう返すと、ニッと笑ってオッケーポーズをして見せた。


――昼休み


「はい、生姜焼き定食お待ち!!」


桜井君は先に座っていた私に昼食を差し出す。


「ありがとう~。」


「ちなみに俺も生姜焼き定食!!」


「あっ何、桜井君って人に流されやすいタイプ?」


「ち…違うわ!!」


「ハハハハッ!」


私の冗談に顔を真っ赤にしてムキになる。



桜井君といると不思議と、嫌な事も忘れて“今”を楽しんでいる自分がいる。


私、ヤケになっているのかな。



< 285 / 554 >

この作品をシェア

pagetop