キミのとなり。

「楽しかったっすか？グアム。」


「ん？……まぁ。」


「なんかテンション低くないっすか？」


「そ？普通だよ普通。」


いつも通りの自分を保つので精一杯だった。


ちょっと気を許したら涙が出そうで……。



仕事も手につかないまま、一日を終え帰宅する。


ちゃんと仁の話しを聞こう。


さくらが嘘を言ってるに違いない。



元々仁のファンだって言ってたんだし、私の存在が邪魔だと思うのは当然だし。


きっと偶然仁が無くした携帯を手に入れて、あんな嫌がらせしてきたに決まってる。


自分にそう言い聞かせた。


電車に乗り込み座席に座ると正面に座る女子高生二人組が週刊誌を広げて大声で話しているのが目に入った。


周りも気にせずケタケタと笑い声を上げる。


まさに傍若無人といった感じ。


最近の若い子は本当にマナーがなってないなぁ……


なんて思う私もすっかりおばさんかな。



チラッとその週刊誌の表紙が目に入った。


【人気アイドル○○の意外な私生活！！】


【○○VS○○泥沼離婚の末…】


【人気グループ○○の知られざる顔】


どれもこれも若い女性が好きそうな内容だな。


その中のある一つの見出しが目に止まった。


【マイクロシティ“ジン”熱愛発覚！！】


ふぅん……

………

………


“えっ…！？”



思わず身を乗り出した。


そこには間違いなくジンの名前が書かれている。


熱愛発覚！？



どっどうして！？



まさかっグアムの！？


その時電車が駅に着いて慌てて降りると近くのコンビニへ走った。