キミのとなり。
豚まん・・・
私、どこへ向かってるのかな。


行く宛なんてないのに……


これで、二度目だ。



裏切られるのってこんなに怖いことだったっけ……。


“ポタッポタポタ……”



涙を流している事さえ忘れていた。



先が見えない真っ暗な道をひたすら歩く。



出口は……どこ?



そのうち、雨が降り出した。



これが失恋ドラマだったら最高の演出なんだけどな。


シトシトと降り出した雨は次第に本降りになる。


髪も服もびしょびしょで、買ったばかりの白のパンプスは泥で茶色くなっていた。


突然の雨に街行く人達も早足で家路につく中、私だけ別世界にいるみたい。


あーぁ、化粧も落ちてるだろうな。



なんだか自分が虚し過ぎてバカみたいで、笑えてきた。


気がつくと駅前のコンビニにいた。


一人でいようと思ったのに、体は無意識に人が集まる場所へ行こうとする。



一人でいる淋しさを体はもう知っているんだ。



コンビニの前では突然の雨に雨宿りをしている若者、傘を買いに駆け込むサラリーマン……


気がつくとたくさんの人が集まってきている。



それに混じって屋根の下へ入った。


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