キミのとなり。
ダボダボのジャージ……


なんか恥ずかしい。


「……あっごめんね、世話かけっぱなしで。」


「いえいえ!ってか、いいっすね~そのダボダボな感じ、そそるなぁ~。」


と言いながら手でカメラを作り私を覗いている。



……ちょっと危険!?


時計を見ると、もう0時をまわっていた。


……どうしよう。


仁、心配してるかな。



また嫌な事を思い出して深い溜息をついた。


それを見ていた桜井君は立ち上がり、冷蔵庫からビールを持ってきた。



「よし!明日は休みやし、パーッと飲み明かしましょ!」


「……やっでも。」



「飲んだら嫌な事も忘れられますって!」


私はふと、疑問に思った事を聞いてみた。


「どうして……」


「ん?」


「何も聞かないの?」


一瞬、缶ビールを開ける手が止まる。


「……何かあったと思ってるでしょ?」



「……まぁ。」


ググッとビールを飲む。


「気に……ならないの?」


「言いたくなったら言ってくれたらいいし、言いたくなかったら言わんでいい。」


……桜井君。



「…っなんて言いながら、実はだいたい察しはついてる。」



「……え?」



「さっきコンビニで見た、週刊誌……」



………


なんだ、知ってたんだ。


< 295 / 554 >

この作品をシェア

pagetop