キミのとなり。

「お前何が言いたいの？」


「……わからないの。」



「え？」



「私が、仁のそばにいてもいいのか……わからない。」



ポタポタと地面にできる雨のような涙の跡……。


仁は険しい顔で私を見ている。



「……なんだよそれ。」



「……。」



「目ぐらい合わせて言えよ！」



私はゆっくり顔を上げて、涙に溢れた目で仁を見た。


「……。」


仁はそのうちとてつもなく悲しい顔になった。



言葉を交わさずにどのぐらいの時間がたっただろう。


仁はゆっくり口を開いた。


「……今、何考えてる？」


「たぶん、仁が考えてる事。」


「……別れたい…のか？」


うううん、と力強く首を振った。



別れたいはずない。



別れたくなんてないけど…


「でもね、このままじゃいけない気がする。」



「……。」



「仁が唄ってる姿が好きで……仁唄声が大好きで、仁の描く歌詞に酔いしれて……“この人の夢を支えていきたい”って心底思った。」


「千秋…」



「そんな私が、仁の限りない未来を……邪魔するわけに……いかないよぉ。」



涙と鳴咽でほとんどなんて言ってるのかわからないような声でそう言った。