キミのとなり。
屋上からの帰り、オフィスの前には何か考え込んだ様子で立ち尽くす桜井君の姿があった。



「あれ……外回り終わり?」


ゆっくり近づきそう聞いた。



桜井君は複雑な表情を見せる。



「今日……」



「え?」



「仕事帰り、飯行こうや。」



表情ひとつ変えずに彼はそう言った。



「……あぁっ…うん。」



そうだね、ちゃんと話さなきゃいけないしね。



「じゃー、終わったら○○でも行く?」



私は、桜井君と以前二人で食べにいった事のあるレストランの名前を口にした。


桜井君は軽く頷いてオフィスへ戻って行った。





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