キミのとなり。
翌朝――



“ジリリリリリ…”



私の頭の上でけたたましく鳴り響く目覚まし時計。



「んっ…もう朝?」



カーテンの隙間から日の光りが差し込んで私の頬を照らす。



“ガンッ”



うるさく鳴り響く目覚ましを思いっきり掌で打ち付けた。



ぼやけた視界で時刻を確認。



えっ!!



「やっばーい!寝過ごしたっ。」



慌てて跳び起きると準備を済ませ、寝癖頭で部屋を飛び出した。



張り切って部屋の片付けしてる内に明け方になってたんだよな…



あんまり寝てないせいで、まだ足元がふらふらする。


“ガチャンッ”



ドアにしっかり鍵をかけて歩きだす。



ふと、隣の部屋の前で足を止めた。



前に私が住んでいた部屋。



引っ越して間もなかった頃、このドアを開けるのが憂鬱だったのを思い出した。


それがいつの間にか楽しみになって、それがなきゃ一日がうまく始まらないくらいにまでなったんだ。



仁は私の栄養剤だった。



元気のない時には元気をくれる



そんな栄養剤だった。




今はもう、見る影もない。


……はっ!



ダメダメ。昨日笑って暮らしていこうって決めたばっかりなのに。



腕時計を確認する。



「はっ…やばいっ。」



早足で駅へ向かった。



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