キミのとなり。
「なんでっ……」



仁が何か言いかけた。



「なんでお前ここに……」


ゆっくり足を止めて満面の笑みで振り返った。



「本当びっくりでしょっ?偶然なんだ!偶然!」



「……。」



仁はまた黙り込む。



「あっ……じゃあ。」



2,3歩歩いた時、急に仁が私の腕を掴んだ。



えっ……



振り返ると仁はとても真剣な眼差しで立っていた。



そして低いトーンでこう言った。



「お前、なんで笑えんの?」



「え…」



「俺は、お前と別れてから一度だって心底笑ったことはねーよ。」



……仁。



「さっき一緒にいた男……誰なんだ?」



「えっ?」



桜井君の事だ……



そっか、さっき見てたんだね。



「……後輩…同じ部署の。」



「付き合ってんのか?」



「えっ!?やっ…まさ…」


“まさか”って言いかけた唇が塞がった。



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