キミのとなり。
仁は悲しい眼差しで、そして力強い手で私の腕を掴んでいる。
まだ、私の事を思ってくれているのがヒシヒシと伝わって来た。
ホッとした自分と、“いけない”と思う自分がいた。
あんなに悩んだ揚げ句出した答えなのに。
考えて考えて考え抜いて出した答えなのに……
また逆戻りするつもり?
私の中のもう一人の私がそんな厳しい言葉を投げて来た。
唇を噛み締める。
仁は決して腕を放さない。
その時、脳裏にこの間のテレビのことが浮かんできた。
珍しく生放送の歌番組で歌詞を忘れて悔しそうに俯いていた仁…
“仁も引きずってるんじゃないですか~?先輩の事”
“仕事が手に付かないんですねきっと…”
若菜ちゃんが言っていた言葉が頭を過ぎる。
やっぱり原因は私だったんだよね。
「……千秋、俺っ」
「告白されたの。」
仁の言葉に重なるようにそう言った。
「え…」
「さっきの男の子!まだ21才なんだけど、大阪から来た子でね!あぁ見えて結構しっかりしてるし、まぁアリかなぁ~って思ってるんだ!」
私はまた笑顔でそう言った。
自分が恐かった。
仁に向かって淡々とこんなひどい事を話せる自分が恐かった。
でも、私にとってはそれが……
そうする事が優しさだったんだ。
まだ、私の事を思ってくれているのがヒシヒシと伝わって来た。
ホッとした自分と、“いけない”と思う自分がいた。
あんなに悩んだ揚げ句出した答えなのに。
考えて考えて考え抜いて出した答えなのに……
また逆戻りするつもり?
私の中のもう一人の私がそんな厳しい言葉を投げて来た。
唇を噛み締める。
仁は決して腕を放さない。
その時、脳裏にこの間のテレビのことが浮かんできた。
珍しく生放送の歌番組で歌詞を忘れて悔しそうに俯いていた仁…
“仁も引きずってるんじゃないですか~?先輩の事”
“仕事が手に付かないんですねきっと…”
若菜ちゃんが言っていた言葉が頭を過ぎる。
やっぱり原因は私だったんだよね。
「……千秋、俺っ」
「告白されたの。」
仁の言葉に重なるようにそう言った。
「え…」
「さっきの男の子!まだ21才なんだけど、大阪から来た子でね!あぁ見えて結構しっかりしてるし、まぁアリかなぁ~って思ってるんだ!」
私はまた笑顔でそう言った。
自分が恐かった。
仁に向かって淡々とこんなひどい事を話せる自分が恐かった。
でも、私にとってはそれが……
そうする事が優しさだったんだ。