キミのとなり。
走る事30分ぐらいだろうか。



「ココ!」



目的地に着いたのか、桜井君はそう言って車を停めた。



どこだ?ここ…



キョロキョロ落ち着かない私を置いて先に車を降りた桜井君はググッと伸びをひとつした。



私もそれに続くように恐る恐る車を降りた。



真っ暗な高台のような所に、小さなジャングルジムがある。



丸太でできたアスレチック……



「公園?」



《いいから、来て。》



そう言う彼について先へ進む。



すると、いきなり桜井君がそこにあったジャングルジムに登り出した。



「えっちょ…何やってんの!?」



一瞬でてっぺんに着いた桜井君は、ただニッと笑って“おいで”と手招きを繰り返す。



なんでここまで来てジャングルジム!?



疑問を感じつつ、足をかけて上に登った。



うぅ~ジャングルジムなんて小学生以来だよっ。



体が重い~…。



「ハァハァハァ…」



真ん中まで来て息を切らせていると上から桜井君が言った。



「ハハハハッ!…情けないなぁ~ほらっ。」



上から差し延べられた手に手を伸ばした。



男らしく逞しい手は、私の手首を掴むと“ぐいっ”といとも簡単に体を引っ張り上げた。



「ありがと…」



頂上まで昇りきった時、桜井君が真っ直ぐ向こうを指差す。



ん?



ゆっくり目線を指差された方へ移すと…




「わぁっ……」



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