キミのとなり。
「あーさっき、若菜ちゃん?に、会ったで。」



「あっ……」



すっかり忘れていた。



若菜ちゃんはどうしたんだろう。



ケンチャンと話せたのかな。



「あの人も目ぇ真っ赤にしてたわ。そんな感動する式も珍しいよな。」



……若菜ちゃんも泣いてたんだ。



会えなかったのかな…



「ってか、私若菜ちゃん置いてけぼりにしちゃった……」



「あぁー先輩に、先に帰ってくれって伝えてって…言ってた。」



「えっあ……そう。」



「疲れたんちゃう?」



桜井君はちらっと助手席の私を見てそう言った。



「寝てていいで、着いたら起こしたるから。」



「うん……」



疲れた…。



私は車に揺られ、その重い瞼を静かに閉じた。



< 407 / 554 >

この作品をシェア

pagetop