キミのとなり。
えっ…
驚いて振り返ると、そのまま正面から抱きしめられた。
余りの力強さに、私の体は硬直していた。
「…さっ」
「こうしてたい。」
「…え?」
桜井君の腕に更に力が入る。
「こうしてないと、どっか行ってしまいそうや。」
桜井君…
桜井君の力強い言葉が、耳の後ろから伝わる熱が体いっぱいに広がった。
「さっき、裏の出口からジンが出てくるの見たで。」
えっ……
「会ったんやろ?」
脳裏に蘇る仁の背中…
何も語ってくれなかった、冷たい目…
思い出したら、また泣けて来た。
「桜井君、私…」
「夢見てたやろ…」
「え…」
「さっき、寝言で“ジン”って…」
嘘っ…
桜井君は、それでも私の体を離そうとしなかった。
「消せるとは思ってへん。」
「えっ…」
「思ってへんし、消せんでいいと思ってる。」
桜井君は私の体をゆっくり離した。
「仁が90で、俺が残りの10やとしても、先輩が俺を選んで横に居てくれるならそれでいいと思ってる。」
桜井君…。
いつもいつも熱い真っすぐな思いをぶつけてくれる。
「だから、行かんといて欲しい……」
桜井君の精一杯の気持ちだった。
男のプライドを捨ててでも、私を離したくないと言ってくれたんだ。
なんでだろう。
彼の想いを知れば知るほど、私の胸は何かに押し潰されそうになるよ。
「じゃーまた。」
「……うん。」
小さく手を振った。
去っていく車をずっと見送ていた。
まだ耳に残る桜井君の言葉と体温……。
私は何をやってるんだろう。
驚いて振り返ると、そのまま正面から抱きしめられた。
余りの力強さに、私の体は硬直していた。
「…さっ」
「こうしてたい。」
「…え?」
桜井君の腕に更に力が入る。
「こうしてないと、どっか行ってしまいそうや。」
桜井君…
桜井君の力強い言葉が、耳の後ろから伝わる熱が体いっぱいに広がった。
「さっき、裏の出口からジンが出てくるの見たで。」
えっ……
「会ったんやろ?」
脳裏に蘇る仁の背中…
何も語ってくれなかった、冷たい目…
思い出したら、また泣けて来た。
「桜井君、私…」
「夢見てたやろ…」
「え…」
「さっき、寝言で“ジン”って…」
嘘っ…
桜井君は、それでも私の体を離そうとしなかった。
「消せるとは思ってへん。」
「えっ…」
「思ってへんし、消せんでいいと思ってる。」
桜井君は私の体をゆっくり離した。
「仁が90で、俺が残りの10やとしても、先輩が俺を選んで横に居てくれるならそれでいいと思ってる。」
桜井君…。
いつもいつも熱い真っすぐな思いをぶつけてくれる。
「だから、行かんといて欲しい……」
桜井君の精一杯の気持ちだった。
男のプライドを捨ててでも、私を離したくないと言ってくれたんだ。
なんでだろう。
彼の想いを知れば知るほど、私の胸は何かに押し潰されそうになるよ。
「じゃーまた。」
「……うん。」
小さく手を振った。
去っていく車をずっと見送ていた。
まだ耳に残る桜井君の言葉と体温……。
私は何をやってるんだろう。