キミのとなり。
ジン。
――翌朝



重い足取りで歩く会社のロビー。



その目線の先に元気のない背中を見つけて駆け寄った。



「若菜ちゃん!」



無言の背中はゆっくりこちらを振り返る。



わっ……



振り返った彼女の顔は、目は腫れぼったく、クマまで出来ていた。



「どっ…した!?」



「先輩……」



今まで見たことがないくらいの若菜ちゃんの崩れ落ちそうな表情……



ただならぬ空気に私は彼女の手を引いて屋上へ上がった。



「先輩…遅刻しますよ?」


「いいよ!そんなのっ…それより、どうした?」



そう聞いても何も答えない。


下を見たまま、虚ろな表情をしている。



「昨日、ケンチャンと何かあったの?」



私がケンチャンの名前を言った途端、若菜ちゃんの目から大粒の涙が地面にひとつ落ちた。



「若菜ちゃん…」



「先輩…私……」



今にも泣き崩れてしまいそうな位、ガタガタと体を震わせている。


「……私、ケンチャンに言われちゃいました。」



「えっ…なんて!?」



「好きだって…」



えっ!



「……ずっと好きだったって。会いたかったって。」


驚いて声もでなかった。



ケンチャンも若菜ちゃんが……。



「……だけど、付き合えないって。」



「え?」



「……そういう立場じゃないって。」



どういう……



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