キミのとなり。
「あなた、自分が邪魔してるって思ったから身を引いたんじゃなかったの?なのに、なんで今更こんな事になるのよ!第一っ…」



「確かにっ…」



佐田さんの声に重ねるようにそう言った。



「確かにそうでした。私は、自分が限りない仁の未来を邪魔してるんじゃないかって……臆病になって……それで、仁が好きだって言う気持ちに、無理矢理蓋をしました。」



「………。」



うんざりした表情で窓の外に目をやる佐田さん。



「だけど、もう限界きて……忘れられるって思ったのに、あいつと過ごした時間や……思い出は………、何一つ色褪せなくて……」



ポタッ…



涙がスカートに落ちた。



泣いて許しを乞うつもりなんてないけど……



止まらなかった。




「やっぱり私には、あいつしか……仁しかいないんです…」



涙声が益々震えた。



だけど、全てをさらけ出した事にもうなんの後悔もなかった。



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