キミのとなり。

「やっ…だから…そのーっ…わっ私はさっ、」



《また明日、仕事が終わったら連絡する。》



「えっあ…」



ｶﾞﾁｬｯﾂｰﾂｰ…



震える手で携帯を耳から離した。



さっ最悪……



なんでこうなるのっ…



「あぁーもぉ～！」



ぐちゃぐちゃに髪を掻きむしり、布団に包まった｡



たぶん、今の私と仁はブランクがある。



離れていた時間が長かったせいで、意思の疎通がちゃんとできてないんだ。



私は自分の思いをぶつけるばっかりで仁の気持ちをわかろうともしなかった。



仁にもきっと私の気持ちは届いていないんだろうな…


“ﾁｬﾗﾗﾗ…”



枕元でなる携帯の音に跳び起きた。



慌てて手に取り、画面を開く。



メールだ。



“ﾋﾟｯ…”



《From　　仁》



あっ！！仁からだっ。



胸が一気に高鳴った。



《下手な言い方しかできなくて悪い。けど、今俺がやらなきゃいけないのは与えられた仕事を一生懸命やる事だと思ってる。その姿勢を見てもらう事でしか、お前との事を事務所に認めてもらえるすべはないと思ってるから。わかってくれ。》



仁…



涙が出た。



仁は大人だ。ちゃんと先を見ている。



なのに、私は今、この時しか見えてなくて…



子供で…



嫌になるよっ…



《ごめんね。…ちゃんと、わかってるよ。》



そう返信した。



こんなんじゃだめだよね。


もっと大人にならなきゃ。