キミのとなり。
「どう?ここからの眺めは……。」
振り返ると佐田さんだった。
「はいっもぉー最高です!!」
若菜ちゃんは嬉しそうにそう答えた。
思わず立ち上がる。
佐田さんはガラス越しにステージを見下ろす。
そして、ゆっくり口を開いた。
「今この会場には2万人のファンがいるわ。」
「えっ…」
「2万人!?うっそー凄いですね!」
「彼等を支えるスポンサーやスタッフ…他にもマイクロシティを支えている人達は五万といるわ。」
「え?」
背を向けたまま佐田さんは話しを続ける。
「くだらない恋愛にうつつを抜かしたが為に、ここにいるファン達が離れていけば、どうなるかわかる?」
ズキッ…
まただ。
耳を塞ぎたかった。
若菜ちゃんは訳がわからず黙り込む。
「マイクロシティは仕事を失い、それを支える人間もまた大打撃を受ける事になる…」
「……。」
「それがどういう事かわかる?」
佐田さんはゆっくりこちらを振り返った。
私は反射的に俯く。
「なんとかなるとか…そんな甘い世界じゃないのよ、一度崩れたらそう簡単には元に戻らないのがこの世界の厳しさなの!」
とても気持ちのこもった声で佐田さんはそう言った。
わかってる…
もう、嫌って程聞いてきた言葉だから。
その度に怯んで、心が折れて……
諦めて…
でも、やっぱりダメだった。
それを痛いほど思い知ったから、
だからもう、止めたんだ。
それを理由に心に蓋をするのは……。
振り返ると佐田さんだった。
「はいっもぉー最高です!!」
若菜ちゃんは嬉しそうにそう答えた。
思わず立ち上がる。
佐田さんはガラス越しにステージを見下ろす。
そして、ゆっくり口を開いた。
「今この会場には2万人のファンがいるわ。」
「えっ…」
「2万人!?うっそー凄いですね!」
「彼等を支えるスポンサーやスタッフ…他にもマイクロシティを支えている人達は五万といるわ。」
「え?」
背を向けたまま佐田さんは話しを続ける。
「くだらない恋愛にうつつを抜かしたが為に、ここにいるファン達が離れていけば、どうなるかわかる?」
ズキッ…
まただ。
耳を塞ぎたかった。
若菜ちゃんは訳がわからず黙り込む。
「マイクロシティは仕事を失い、それを支える人間もまた大打撃を受ける事になる…」
「……。」
「それがどういう事かわかる?」
佐田さんはゆっくりこちらを振り返った。
私は反射的に俯く。
「なんとかなるとか…そんな甘い世界じゃないのよ、一度崩れたらそう簡単には元に戻らないのがこの世界の厳しさなの!」
とても気持ちのこもった声で佐田さんはそう言った。
わかってる…
もう、嫌って程聞いてきた言葉だから。
その度に怯んで、心が折れて……
諦めて…
でも、やっぱりダメだった。
それを痛いほど思い知ったから、
だからもう、止めたんだ。
それを理由に心に蓋をするのは……。