キミのとなり。

翌朝――



その日、私は体調不慮を理由に仕事を休んだ。



ふと点けたテレビではジンの事務所関係者が記者会見を開いてジンの詳しい容態を伝えている。



テーブルの上の朝刊にはこんなことまで書かれていた。



《マイクロシティ　ジンがバイクで横転。頭を強く打ち、依然意識不明。


噂の彼女に会いに行く途中で事故に遭遇…事務所だけでなく神にも切り裂かれた愛……》



どこから、こんな情報が漏れたんだろう…



頭を抱えてうずくまる。



そんな私の傍らで引っ切りなしに鳴り響く携帯電話。



晶子や晃、弘人や若菜ちゃん、そして桜井君達が事故を知って心配してかけてきてくれている。



だけど、今はそれに答える気力もない…。




これが夢だったら…



夢だったらいいのに……



涙が止まらない。



もし昨日会う約束などしなければ、



そうすれば、こんな事にはならなかったのかなって・・・



全部私のせいなんじゃないかって……。



生まれて初めて膝を抱えて泣いた。



仁…



お願い…



《こんな怪我なんともねーよ》って…



《いちいち泣いてんじゃねーよ》って



意地悪を言って笑ってよ。


“アンタがそばにいるとろくなことないって言ってるのよ！”



布団に包まると、昨日の佐田さんの言葉が蘇ってくる。



私は、仁の傍にいるべき人間じゃなかったのかな…



そんな思いまでもが溢れてきた。