キミのとなり。
“ピンポン…ピンポン”



昼過ぎ―



突然玄関のチャイムが鳴った。



“ガンガンガン!!”



それと同時に誰かが私の部屋のドアを叩いている。



《千秋!?いるんでしょ!?千秋っ!》



《おいここ開けろよ!千秋!!》



外で大声でドアを叩くのは晶子と晃だった。



電話にでない私を心配してわざわざ様子を見に来てくれたんだ。



私は声のする方へ力無く立ち上がりそのドアを開けた。



“ガチャン…”



晶子と晃は開かれたドアの前に立つ泣き疲れた私の顔を見て、一瞬言葉を失った。



「……千秋っ。」



「……ごめんね…何度も電話…くれてたのに。」



「…う、うううん。」



私は、向きを変えて覚束ない足取りで部屋へ戻る。



二人は静かにドアを締めて部屋に上がった。




「…仕事…休んだんだね。」


「うん…」



二人は生気のない私を見て、痛たまれないといった表情をしていた。



そして、しばらくして晶子が話しを切り出した。



「どうなの……仁さんの容態は。」



私は俯き首を横に振った。


「……わからない。」



「わっ…わからないって、病院行ったんじゃ…」



また大粒の涙が溢れ始めて膝に落ちた。




「行ったよ、行ったけど……会わせてもらえないの。もう…来るなって言われたんだ。」



「なっ何それ!」



「例の事務所の人か?」



晃の問い掛けに小さく頷いた。



「……ひどいっ、こんな状態でまだそんな事言うなんてっ……鬼だよ!」



「……ううん、私自身も自分を責めてる部分があるの。」



「え…?」



「……昨日が誕生日じゃなかったらって…私が仁と出会わなければって……」



“パチンッ!”



えっ―…



突然左頬に走る痛み…



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