キミのとなり。
「…おっおい!」



晶子は力いっぱい私の頬を叩いた。



泣くのも忘れる程の衝撃を受けて、ただ晶子を見上げる。



「バカ!何弱音吐いてんのっ。決心したんでしょ!?余計な事考えないで自分の気持ちに素直になるって……決めたんでしょ!?」



……晶子。



「…出会わなければよかったなんてっ…あるわけないじゃん!」



晶子が泣いていた。



まるで自分の事のように。


晶子は放心状態の私の両肩を掴んでこう言った。



「大丈夫だよぉ!……きっとすぐっ…よくなるんだから!」



晶子に抱きしめられて、目が覚めたような気がした。



「迎えにくるって言ってたんでしょ?……仁さんの言ったこと千秋が信じてあげないでどうすんのっ!?」



私は痛む頬に涙をいっぱい流し、晶子の肩で泣いた。


そして力いっぱい頷いた。


そう…だよね。



こんな時だからこそ、信じる気持ちが必要なんだ。




きっと仁は今戦ってる。



私は信じて、祈って、……待つしかないんだ。




誰かが言っていた―



今目の前で起こっている全ての事に意味があるんだと―…



今はわからなくても、



長い歳月が過ぎれば、自ずとその答えが見えてくるんだと―…




だから、私は待つよ。




その答えがわかる日が



来ることを信じて…



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