キミのとなり。
病院の前には相変わらず報道陣が詰め掛けていて、メンバーや事務所関係者が出てくるのを待っている。



私は何食わぬ顔でその間を擦り抜け病室へと向かった。



病室の前でも昨日見たボディーガードが病室を見張っている。



……ふぅ、ダメもと、ダメもと!



気合いを入れて、そこに立ちはだかる男の前に歩み寄った。



「あの、仁のお見舞いに来たんですけど。」



男は険しい顔付きで私を見下ろしている。



「関係者以外立入禁止だ、ほらっ帰った帰った。」



案の定、“シッシッ”と手で追い返される。


「あのっ…少しで構わないんです。顔だけ見たらすぐ帰りますから。」



負けじと食い下がる私に男は更に険しい顔になる。



「ダメだダメだ!とっとと帰った!」



努力も空しくその大男は私を勢いよく突き飛ばした。


「きゃっ…」



“ドンッ”



すると、誰かとぶつかった。



「女の子に暴力はよくないっしょ!」



そう言って私を支えてくれたのはケンチャンだった。



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