キミのとなり。
「でもっ。千秋ちゃんも仁も…本当一途だよな~!」


「…ッゲホッ…ゲホッ…」



ケンチャンの突拍子もない発言に飲みかけたオレンジジュースが変な所に入った。



「大丈夫!?」



「だっ…大丈夫。…きゅっ急に変な事言うから。」



「ハハッ…ごめんごめん!だってさー出会って4年だよ!?その間まぁ別れたりとか色々あったにせよ…」


ケンチャンは片手に持ったオレンジジュースの紙パックを興奮気味に握りしめながら続ける。



「やっぱお互い想い続けてきたわけじゃん!?それってすごい事だと思うなー」


「……そっ、…うかな。」


そんなマジマジと言われると照れるんですけど…



「きっと運命だったんだよ!」



キラキラした目でケンチャンはいきなりそんな事を言い出した。



「へっ…!?」



「出会った事も、俺達のデビューも、色々あって今こうなった事も……」



「…ケンチャン。」



「きっとこの先に起こる“とっても素晴らしい出来事”の為に必要な通過点だったんだ。」




通過点…



「そう考えたら、今のこの状態も受け入れられるだろ?」



ニッコリ、風に吹かれたケンチャンの横顔がこちらを向いた。



「……ケンチャン。」



ケンチャンは精一杯私を励まそうとしてくれている。


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