キミのとなり。
急いで二人で病室に走り込む。



病室ではベッドの上の仁に何やら先生が診察をしている。



「かっ看護師さん!!なっ何があったんですかっ。」


そばに立っていた看護師さんにケンチャンが詰め寄る。



私は不安で不安で泣きそうだった。



まさか仁の容態が急変したんじゃっ…



ケンチャンに腕を掴まれた看護師さんは落ち着いた表情で話し出した。



「えっえぇ、実はさっき様子を見に来た時に少しだけど目を開けて…」



『えっ!?』



私とケンチャンは声を揃えた。



仁が目を!?



ふとベッドに目をやると、仁は微動だにしていない。


「ほっ本当なんですか!?ねぇ、仁は…仁は目を開けたんですか!?」



私は我も忘れ看護師さんの腕にしがみついていた。



「……えぇ、今先生が診察をっ…」



「千秋ちゃん、落ち着こう。」



ケンチャンは興奮気味の私の肩に手をかける。



私は不安と期待で入り交じった気持ちを必死に押さえた。



「…とっとりあえず外で待とう。」



「う…うん。」



放心状態の私をケンチャンはゆっくり廊下へ連れて行こうとした。



「こっ甲谷さんっ!?」



えっ―…



その時、背後で仁の名前を呼ぶ先生の声がした。



私とケンチャンはその声に驚いて振り返る。



「甲谷さん!聞こえますか!?」


「………」



振り返るとベッドの上の仁の指がピクッと少し動くのがわかった。



「仁っ!」



私はベッドに走り寄り、その手を掴んだ。



「仁!仁!私だよっ!?」


「おぃ、仁?」



ケンチャンもそばへ駆け寄り仁の顔を覗き込む。



仁の指先がそれに答えるかのように私の手の中でピクピクッと動いている。



「ねぇ仁!!お願いっ…目を開けて!」



次第に視界が涙で遮られ始める…



その時―…



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