キミのとなり。
この曲を聞くと色々思い出す。



恥ずかしそうに私の目の前で、私一人の為に寝癖頭でギターを弾いて唄ってくれた仁。



私の傷ついた心を癒してくれる優しい唄声だった。



たぶん、あの時私の心は仁に奪われたんだ。



そして記憶に新しい弘人の結婚式……



大勢が注目する中で、語った嘘偽りのない気持ち…



飾らない仁の言葉に、私は胸を打たれ…涙を流し…



嘘で固めた自分を恥じて…


やっぱり、仁が好きだと…


仁でないとダメなんだと…


思い知らされたんだ。



この曲がなかったら、未来は違っていたかもしれない。



それぐらいこの曲にはたくさんの想いが詰まってる。


そうだよね?仁。


「えーっ、ここでちょっと…」



へっ?



唄い出しの所で急に仁は、話しを始めた。



会場は、予想外の展開にざわつき始める。



「みんなに大事な話があります。」



えっ!?だっ大事な話!?


なんでこのタイミング!?


「どっどうしちゃったんですかね!?ジン…」



隣で、若菜ちゃんや桜井君達もその光景に目を丸くしている。



仁はマイクを握りしめながら、とても穏やかな表情でこう続けた。



「みんな知っての通り、俺には今真剣に付き合ってる人がいます。」



えっ!



えぇぇえ!!



なっ何言い出すのよっ!!


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