キミのとなり。
「千秋。」



仁……。



私は仁の笑顔に吸い寄せられるように立ち上がると、ゆっくり覚束ない足取りで前へ出た。



みんなが私を見ている……


まるで、ドラマの中の主人公になったみたいだった。


みんなに背中を押されるように一歩一歩、ステージに繋がる階段を登る。



“コツ…コツッ…コツ…”



階段を登り終えると、仁はゆっくり私の手を取りステージの中央へと連れていく。


恐る恐るそこから前を見渡した。



「……。」



うっ……



うわぁ…っ!!



180度どこを見渡しても
人人人……。



そのあまりに現実離れした光景に、私の足は一気にすくむ。



こっ腰抜ける…



“ヒューヒュー!!”



だけど、落ち着いてもう一度見渡すと、そこにいるみんなが笑顔で拍手をしてくれているのがわかった。



なんだかそれだけで泣きそうになった。


「えぇーじゃあ、改めて…紹介します。」



仁はまったく冷静に、私の横でマイクを握り話しをしている。



やっぱりこの人は……



すごいんだ。






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