キミのとなり。
「それでは新郎様の方もご準備が整いましたのでこちらに……」



「あっはい。」



仁もタキシード着てるんだよね。



面倒臭がって衣装合わせもしなかったからなー。



どんな感じなんだろう。



ちょっとドキドキ…



緊張した面持ちでまた長い長い廊下を歩く。



ガチガチの足に高いヒールが歩きにくい……


しばらく行くと、係りの人がある部屋の前で立ち止まった。



「こちらに皆様お揃いです。」


「あっはいっ…。」



私は少しドレスの裾を捲くり上げ、その大きな扉の前へ足を進める。



“ガチャッ”



ゆっくり開かれた扉の中には、私の両親や親戚一同がズラーッと並んで私を見ている。



“オメデトー!!”



“わぁ~きれー”



重いドレスを引きずりながら、その間を一歩一歩前へ進んだ。



懐かしい顔がたくさん並んでいる。



あっ……



その時、やっと目の前に仁が立っている事に気付いた。



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