キミのとなり。
なかなか切り出さないケンチャンを見ていて、不安になったようだ。



「へっ!?」



「別に急いでないし…。」



俯いたまま若菜ちゃんはそう言った。



あぁーもう何やってっ…



そう思って前へ出ようとした時――



「あっ……」



ケンチャンの伸ばした手は、若菜ちゃんの細く白い腕を掴み、自分の胸に優しく引き寄せていた。



「………。」



その光景に誰もが息を飲んだ。



「…ケッケンチャン!?」


「結婚しよっ。」



「えっ!?」



「今すぐにできるかは、事務所の事とか色々あるしわからないけど……でも、俺はっ……俺の奥さんになる人は、若菜ちゃんしかいないって思ってるからっ。」


ケンチャンは精一杯の想いを若菜ちゃんにぶつけた。


「……はっ……はい。」



ケンチャンからの言葉に若菜ちゃんは小さくそう答えた。



“パチ…パチパチパチ…”



会場から抱き合う二人に、祝福の拍手が沸き起こる。


私も自分が花嫁である事も忘れて、ぐしゃぐしゃの顔で二人に拍手を送った。



二人の後ろで仁もホッとしたように拍手を送っていた。


ブーケトスの時間は仁の活きな計らいで急遽、ケンチャンから若菜ちゃんへのプロポーズの時間にかわった。



幸せそうに抱き合う二人を見ていたら、倍うれしくなった。



こうやって笑顔が溢れていけばいい。



みんなが幸せであればいい。


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