キミのとなり。
これはまずいかも……。


ただのナンパじゃなさそうな雰囲気。


「……もう私、行きますんで。」


肩にかかった手を振り払いその場から逃げようとした。


「待ってよ~!」


腕を強く捕まれてただならぬ空気。


「離して!警察呼ぶわよ。」


私は震える声でそう叫んだ。


「ほ~呼んでみろっつーの!」


豹変した彼らは私の両手を引っ張り公園の奥へ連れて行こうとする。


「イッ痛い!離して!離してよ。」


どっどうしよ……


怖いよぉ!


助けて!!


“仁!!”


その時、後ろで声がした。


「何やってんの?」


揉みくちゃになりながら振り返ると、ニット帽を目深に被りいかにも面倒臭そうにこちらを睨みつけている仁がいた。


「なんだてめぇ?関係ない奴は向こう行ってろよ。」


男の一人が更に鋭い目線で今にも仁につかみ掛かりそうな勢いで怒鳴った。


「まぁ関係はないけど。」


っでぇ!?


なんでそこで引くのよ~!


男達は無理矢理私の背中を押して連れて行こうとする。


「やめてよ!やめてって!ちょっと仁!」


必死の形相で仁を呼んだ。


「何、助けて欲しいの?」


「ったりまえでしょ!?早く!」


「いや、だって何も言わないから。」


「い…言わなくてもわかるでしょがっ!?」


仁はゆっくりこちらに近づくと、私の手首を握っていた男の腕をガシッと掴んで捻り返した。


「イッ!なんだてめぇ!」


「悪いけど、他の女で済ませてくれる?」


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