キミのとなり。
うれしさの余り、綻びっぱなしの顔で部屋の明かりを点けた。


プレゼントをそっとテーブルに置く。


何?何?開けちゃおうかな~。


私は震える手で、結ばれたリボンを解き箱を開けた。


「かぁわいいー!」


その中に入っていたのは、雪の結晶を象ったシルバーのネックレスだった。


早速、首につけて鏡を覗いた。


私の首元でキラキラと光るネックレス。


うれしいよぉ!!


でも……なんで私に?


その夜何度も何度も首元のネックレスに手をやった。


どんな顔でこれを選んでくれたのかな。


想像しただけでまた顔がにやけてくる。


今夜はいい夢が見られそうだな!


翌朝――


いつものように玄関先で仁に会った。


「おはよ!」


「おぅ。」



「ねぇ見てこれ!かわいい?」


私は首もとのネックレスを軽く摘んで仁に見せた。


「……。」


仁はノーコメント。


ポケットに手を突っ込んだまま無言で先に行こうとする。


「ちょおっと~!」


「いちいちうぜーよ!」


「ちゃんと見てよ~かわいい??」


「はいはい。」


「って、見てないじゃんっ!」


茶化す仁の後ろを必死に着いて行く。


本当はその背中に抱き着きたいんだよ。


腕を組んで歩きたいよ。



< 89 / 554 >

この作品をシェア

pagetop