キミのとなり。
仁はそっと私に近づいてきた。


ゆっくり顔を近づけてくる。


「えっっキッキスすんの!?」


 ………。


一瞬空気がシケル。


「あんたさぁ……確認とるか、普通。」


「やっ……だってまたマスカラでもついてたのかと思って。」


仁はまた真面目な顔になった。


“ドキッ”


「あっでも今ペペロンチーノ食べてきたしっ!!」


どんどん仁の顔が近づいてくる。


“ドキンドキンドキン…”


私の心臓はどんどん早さを増してゆく。


「やっ、たぶん私今ニンニク臭いとおもっ……」


仁は後退りする私の腕を掴んでグッと自分の方へ引き寄せた。



そして、仁の唇が私の唇をそっと


……塞いだ。



「……っ。」


中学生みたいにガチガチの私・・・。


だけど仁とのキスを、私が待ち望んでいた事に間違いはなく、私は素直にそれを受け入れた。


夢にまで見た、仁とのファーストキス。


仁の唇は温かかった。


一体何分キスしてたんだろう……


そっと離れる二人の唇。


仁って、こんなに背が高かったんだな。


ビー玉みたいなその目に引き込まれそうになるよ。


見つめ合う二人。


すると仁はボソッと呟いた。


「ふっ……ニンニクくせぇ。」


「へっ……!?」


「飯のチョイス考えろよ。」


ケラケラと笑いながら先を歩く仁。


んもぉ!!こんな時までデリカシーのかけらもない奴!!


だけど……


好きだよ。


今度必ず言うからね。

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