キミのとなり。
年越しパーティー
クリスマスが過ぎ、気がつけば世間は新しい年を迎えようとしていた。


大晦日の今日は、私の部屋に仁と晃と晶子を呼んでみんなで一緒に年越しパーティー。


先に来ていた仁と二人で鍋の材料を切り分ける。


こうしてキッチンで横に並んでいると、夫婦みたいだな……なんて妄想してしまう。


「あんたさぁ……」


「えっ!?」


「切るの下手だな。」


「……。」


手元を見てみると、確かに切ったつもりだった白ネギが見事に連なっていた。


「ほっ、包丁の切れ味の問題だよ!最近研いでないからな~ハッハハ!」


「貸してみっ。」


そう言って私から包丁を奪い白ネギを切り出す仁。


“ザクザクザクッ……”


うっうまいし!


「あんたの腕の問題だな。」


ムッ!



「男のくせになんでそんな上手いの!?」


「昔、居酒屋でバイトしてたから。」


「そうなの!?」


意外な過去発覚!


「女のくせになんでそんな下手なんだ?」


またまたムッ!!


きっ…聞き流そう。


「ねぇねぇ!他にどんなバイトしてたの?」


「ん~、カラオケ屋だろ、コンビニも行ったし…あとケーキ屋。」


「えっケーキ屋!?」


全然イメージつかないんだけど。


「じゃー、ケーキとかも作れるの?」


「まぁ、うまくないけど。」


「へ~。じゃーさ!いつか作ってよ!バースデーケーキ!!」


キラキラした目で私がそう言うと、仁は手を止めてちらっと私を見た。


「俺、あんたの誕生日知らないし。」


「あっ……。」


< 96 / 554 >

この作品をシェア

pagetop