キミのとなり。
たっ確かに、そうでした。


そういえば私も仁の誕生日知らないな。


というか、考えてみたら私達知らない事だらけだよね。


「私の誕生日は11月9日ね!仁は?」


全然進まない私の横で、次から次へ器用に材料を切り分けながら答える仁。


「……今日。」


「ふぅん、今日かー。」 

 ………


「って、えぇぇ!!」


「そんな驚くなよ。」


「えっきっ今日なの!?今日24歳なの?」


「あぁ。」


「なっなんで言わないの!?そんな大事な事!」


「いや、聞かれてないし。」


やっ…そりゃそうだけど。


「あっケーキ!買いに行こうよ!」


なんだかワクワクして仁の腕を引っ張った。


「いらない。」


「なんで?誕生日といえばケーキでしょっ!?」


「バイトして毎日見てるうちに嫌いになった。」


あぁー、なんとなくわかる気がするソレ。


「できた!」


私が白ネギひとつ切り終わらない内に、仁は全ての材料を切り分けてしまった。


「……。」


「……。」


何か言いたそうな表情をしてこっちを見ている。


「……何よ。」


「あんたって……ほんっと不器用だな。」


ドスの利いた声でそう言う。


あんただけには言われたくな~い!!






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