赤い狼と黒い兎
ユウウツ
「…ねぇ、もう限界なんだけど」
「奇遇だね、私もだ」
「俺も……」
「…ちょ、誰か俺に酸素を……」
ウルサイ。
いつもやんちゃをやってる、春架、麻友美、龍希、唯兎がこの静けさに悲鳴を上げていた。
何せ、あたしと琉樹、朔弥で嶽に関する有力な情報を集めてるからね。
「息苦しい〜〜っ」
「ひま居ねぇしなぁ…」
「あ〜…何故今日は寝れないんだ」
『お前らほんとうるせぇ』
「少しは黙ってな」
「それが嫌なら、どっか行ってなよ」
3連続攻撃を喰らった4人は大人しく、雑誌を読み始めたり寝たりと行動をした。
「あ、あたし病院行かなきゃ」
「え、ズルい!」
「じゃあ一緒に来ればいいでしょ……」
呆れたように言う麻友美と目が合い、麻友美はにこりと笑った。
「何かほしいモンある?」
あたしは空箱になったタバコを見せ、欠伸をこぼした。
「あれ、馨…マルボロからセッタに変えたの?」
『んぁ?…ああ、違う違う。家にマルボロ無かったから兄貴のセッタパクって来た』
「あらぁ…」