赤い狼と黒い兎


「俺まだ馨と一緒に居たい」



ニンマリと笑ったままそう言った向日葵。

……マジで怖いんだけど、なんか。



『う、ん…?』

「ダメだよ、馨ちゃんは忙しいんだから!」

「俺は馨に聞いてんの」



…………。

笑ったまま深子たちを睨まないで、向日葵。

怯えてるから…!



『うん、わかった。わかったから睨まない…』

「やった!」

「か、馨ちゃ〜ん…」



半分泣きかけてるんだけど…。

うん、わかる。今の向日葵は怖い……。



「だから、他の3人はもう帰って」

「え〜、向日葵。俺だって馨となぁー!」

「か え れ ☆」



……………。



「すいません、帰ります」



…総長をも黙らせる向日葵、強し…。



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