赤い狼と黒い兎


そして3人は泣く泣く病室を出て行った。

…あたしが言うのもなんだけど、気まずい……。



「ま、座って」

『…うん』



何だろうな、この微妙な威圧感。

笑顔が怖いなぁー、何企んでるのかなあ。

…なんて、こっちの笑顔が引き攣るくらい怖い笑顔。



「馨」

『ハイ』

「さっきの、嘘だよね?」

『え?何が?』

「嘘、だよね?」

『……嘘です』



何だろう、この威圧感。なんでこんなに向日葵怖いんだろう。

ブラック向日葵なんですけど。



「やっぱり…。あの短時間で何があったの?」

『………。』

「黙秘権はないよ。誰にも言わないからさ」



黙秘権も何も、意地でも言わせる気でしょうアンタ。



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