赤い狼と黒い兎


誰かこいつを刺し殺してくれ……。



『…で、いつまでいんの』

「え?」

『着替え、出来ないんだけど。』

「昔はよく兄ちゃんの前でも着替えてたろ〜?」

『ガキの頃の話だ!訴えるぞこのくそ兄貴!!』



放り出すように兄貴を閉め出せば、ドアの前でなんか言ってる。

…ったく、うちの家族共は……。



『変な奴しか居ねぇ…』



いや、亜稀羅はまともか。…でも、あたしにべったりだよな。

さっさと動きやすい格好に着替え、リビングに向かった。



『兄貴』

「おー、よし行くぞ!」



…どんだけランニングしたいのこの人。

瑠衣に引っ張られるようにして家を出た。



「あ〜っ!天気いいなぁ!」

『そーですね』

「日向ぼっこ出来そうだな」

『そーですね』



…兄貴って、やっぱ単純バカかな。



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