赤い狼と黒い兎
「おっ、嶽発見!」
突撃だ〜!、と言わんばかりに突進するバカ兄貴。
嶽ってのは、兄貴の同級生で朱雀っていう暴走族を瑠衣と瑠宇と一緒に引っ張ってる。
「うわぁ!?」
「よっ、嶽!」
「よっ、じゃねぇよ!!急に突撃して来んな!!」
「つれない事言うなよ〜」
あれでも一応3人は幼なじみ。
遠目からぼーっと見つめていたら、嶽があたしに気付いた。
「お、何だ。馨がいんじゃん珍しい」
「一緒に走ってたんだって。馨〜おいでー」
兄貴に手招きされて、小走りでそこに行った。
「よぉ、マセガキ。亜稀羅元気か?」
ポン、と頭に乗せられた手を払いのけて言った。
『誰がマセガキだ、この飲んだくれ』