赤い狼と黒い兎
少しバイクを走らせると、夕日がキラキラ反射してキレイな海が見えて来た。
じーっと海を見つめていたら、嶽に「寄るか?」と聞かれた。
「うん!」と頷けば、ふっと笑う。
嶽はバイクを瑠宇の横につけ、顎をくいっとやり瑠宇はそれに頷いて左に寄った。
ここの海は、よく走り屋や族が来る有名な海。
だから、あんまり人が来ない。
「海キレ〜だなぁ」
「キラキラしてる」
「時期が時期だからなぁ…」
…みんななんかセリフがオジサンぽい。
「なーに笑ってんだ」
コツン、と頭を小突かれニンマリしたままそこを押さえた。
『キレイだなって』
「嘘つけ。お前がそんな事思うタマか」
『失礼な!』
「下道なクセに〜」
『そりゃお前だ』
「なんだとッ」
こんな楽しい日々が、これからもずっと続くと思ってたのに―――…