赤い狼と黒い兎
『嶽。もうやめようよ?こんな事したって、意味無いの嶽だって分かってるでしょ?』
「……るせぇ」
『嶽、』
「うるせぇ!!!」
バキィ!!!
思い切り嶽に殴られ、受け身も取れないあたしはそのまま吹き飛んだ。
「馨!!」
『ガハッ!…ゴホッ、ゴホ…』
「嶽、てめぇ!!!」
目が、さっき以上に霞む…。
やば…強く打ったか……。
「てめぇみたいな餓鬼に何が分かる。調子ノってんじゃねえぞ…」
霞む視界でも、嶽の殺気ははっきりとわかった。
でも、吹き飛ばされたおかげと言ってはなんだが手首を結んでいたロープが切れた。
『が…く…』
「…っ、やめろ嶽!馨は関係ねぇだろ!!」
「言ったろ。絶望を味あわせると…」