赤い狼と黒い兎
宣戦布告
『っ!!』
ガバリ!と勢いよく飛び起きた。
『はぁ…はぁ……』
昔の…夢……。
『はは…タイミング、悪……』
あたしの目からは大量の涙。おまけに汗までかいてる。
『最ッ悪…』
予知夢ですか…。
つーか、嫌がらせにしか思えねぇ……。
『とりあえず、風呂入ろう…』
何気に腹減ったし…。てかどんくらい寝てたんだろ……?
リビングに降りると、亜稀羅と瑠宇がテレビを見ていた。
……気まず…。
「お、やっと起きたか馨」
「…顔色悪いよ?大丈夫?」
『………。』
そう。昔と何も変わらないこの場所。
唯一違うのは、瑠衣が居ないってことだけ。
『……風呂』
「お〜…。飯食うか?」
『ん…』
こくんと頷き、風呂場に向かった。