赤い狼と黒い兎
あんな悲劇、繰り返してどうしたいんだろうか。
だとしても次は誰を殺す気だ、あの殺人者。
もう誰も殺させやしないよ。
もう一度、ブタ箱、入ってもらわなきゃなぁ……。
シャワーだけをさっと浴び、すぐに上がった。
ジャージに着替え、またリビングに行った。
「はやっ」
『……お腹空いた』
「あーハイハイ」
タイミングよく出てきたチャーハン。
…寝起きからチャーハン……濃いな…。
『いただきます…』
「ドーゾ」
レンゲでご飯を掬い、口の中に運ぶ。
自分が思っていた以上に腹は空いていたらしい。
勝手に手が進む。
「…あのさぁ、馨」
『ん…?』
妙に真剣な顔付きの瑠宇に、首を傾げた。