赤い狼と黒い兎


「お前、何やってんの?」

『は?』



今のあたしの顔はさぞ怪訝な顔をしてるだろうよ。

何やってんのってなんだ。飯食ってんだろうよ。



「またドンパチするつもりか?」

『……』

「嶽からやられそうになってんじゃねーの」

『!?』



思わずレンゲを落とした。おまけに開いた口が塞がらない。

なんで…嶽のこと……。

…!



『亜稀羅ッ!?』



ソファーに寝転がって悠々とテレビを見ている亜稀羅を睨んだ。

「わっ」とか言ってソファーの影に隠れたが…。



『こンの、バカ!!』

「だ、だって瑠宇が…!」



ソファーから少しだけ顔を覗かせ、あたしを見る亜稀羅。



「まぁまぁ、亜稀羅を責めんな」

『〜〜…チ』



腕を組んで椅子に座り直した。



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