赤い狼と黒い兎
「…馨、やっぱひま手懐けた…っ」
なんか後ろの奴はこんなこと言ってるし。
『別に手懐けてない』
「だってあの女嫌いなひまを…っふは!」
『…磨子とだって普通に話してるでしょ』
「敵対心向けまくってるよ」
『………』
まぁ、あながち間違いじゃないけど。
人を挟んで口喧嘩するのはやめていただきたい。
「早く離れろッ!!」
「やだね」
「く〜っ!ひまわりのクセにむかつく!!」
…その理由、よくわかんないんだけど…。
するとあたしのケータイがブーッブーッと鳴った。
誰だ…?
『…ん?せーや?』
「なんだ、青夜さんかよ」
一気に緊張感が解れた音楽室内。
…そっか、嶽だと思ったのか。