赤い狼と黒い兎


「…馨、やっぱひま手懐けた…っ」



なんか後ろの奴はこんなこと言ってるし。



『別に手懐けてない』

「だってあの女嫌いなひまを…っふは!」

『…磨子とだって普通に話してるでしょ』

「敵対心向けまくってるよ」

『………』



まぁ、あながち間違いじゃないけど。

人を挟んで口喧嘩するのはやめていただきたい。



「早く離れろッ!!」

「やだね」

「く〜っ!ひまわりのクセにむかつく!!」



…その理由、よくわかんないんだけど…。

するとあたしのケータイがブーッブーッと鳴った。

誰だ…?



『…ん?せーや?』

「なんだ、青夜さんかよ」



一気に緊張感が解れた音楽室内。

…そっか、嶽だと思ったのか。



< 174 / 286 >

この作品をシェア

pagetop