赤い狼と黒い兎
ま、ムリもないか。
『何?青夜』
《おい馨、やべぇ事になったぞ…》
いつもより真剣な声色に、再び緊張感が襲って来た。
『…何?』
《お前がココに居るって事、あそこにバレた》
『……あそこ?ってどこだバカ』
まったく、こいつ主語がねーよ…
《蛇烙》
『!』
“蛇烙”…嶽の傘下にいるチームか…。
別にそこまで強いわけじゃないが、卑怯な手を使って戦う連中だ。
『…だから?』
《だからって、お前なぁ…》
『ここに来るとでも言うのか?』
ふっと笑い飛ばせば、青夜は「その通りだよ」なんて言った。
『……』
《どうするよ、黒狼さん》
『…はぁ?お前がなんとかしろよ』
《何でだよっ》