赤い狼と黒い兎
「馨って…マジ何者だ…?」
『ただの女子高生ですけど。』
「いやいや!“ただの女子高生”じゃねーだろ!」
『は?どう見たって女子高生でしょ』
「あの殺気は女子高生が出せるもんじゃないよ?」
…なんだこいつら。何でこんなに絡んでくんだよ…。
「お前ら…馨とどんな関係なワケ?」
「あ?おめぇらに関係ねぇだろ」
「可愛くねぇ女」
「かっこよくねぇ、男」
「んだとッ!」
『止めろ。』
まさに鶴の一声。
舌打ちし、睨み合いで済ませられた。
『口は許す。手は出すな』
「やだなぁ、まだ出してませんよ」
『……春架、てめぇ…』
「うわわ!ごめんなさいごめんなさいいい!!」
ぎろりと春架を睨めば、琉樹の後ろに隠れ謝る。
『……チッ』
あからさまな舌打ちをして、春架から目を外した。
「あはは、大変だね馨」
『楽しんでない?亜稀羅』
「うん」
『………。』
うん、って即答しちゃう?普通。
「…亜稀羅?」
「どーいうことだ?」
「馨ちゃんとはどんな関係で?」
亜稀羅は必死に笑いを堪えて、あたしはしらっとした顔で言った。
『…ただの姉弟ですけど』
「えっ」
「姉弟!?」
「うん…っ」
「似てな…、いや似てるか…」
そして、亜稀羅はとうとう吹き出し笑った。
「亜稀羅てめぇ!」
「何で黙ってだよ!」
「だって…クク、お前らの驚く顔見たくて……っハハッ!」
「「このドS!!」」