赤い狼と黒い兎


と、いうか。

この体制辛いよ?てか、俺の理性さんが持たないよ馨さん。



「…また様子見に来るよ」



馨の顔が見えるようにしゃがんで、頭を撫でれば安心したような顔つきになった。



「………。」



これは喜んでいいものなのか…。

てか俺、ちゃんと男として見られてんのかな…?



「…はぁ。ま、いーか…」



そっと手を離し、今度は額にキスをして部屋を出た。



「あっ、唯兎!」



幹部勢揃い。

相変わらず向日葵と亜稀羅は心配そうな顔してるし。



「馨は?」

「寝た」

「…ほかは?」

「他って何。」



亜稀羅って、馨のことになったら案外うるせーのな。

下手したら瑠宇さん以上…?



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