赤い狼と黒い兎


「馨に変なこと「してねーから」………」



なんだその無言の睨みは。

してないって嘘だけどよ、ちょっとは信じろ?



「…まぁ、いーか」

「(いいのかよ……)」



ソファーに座ってテーブルに置いたタバコを手に取ろうとした。

…まではいいけどな。



「おい朔弥。お前何でそんなに笑ってんだ」



声には出してないが、口元が綺麗に笑ってる。

なんだよこいつ…こえーな。

てかさりげに郁も笑ってっし。



「…何だよ」

「いや?別に」

「ただ…うん」



ただまで言ってうんってなんだ!



「だからなんだよ」

「大事なんだなぁ、って。な?朔弥」

「唯兎のちっさい独占欲」



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