赤い狼と黒い兎


「いいじゃん。中2で時間止まってんだから」

「お前だけな!俺はちげーよ」

「なんだよ、好きな女にコクる勇気もねーくせに!」



ちょっとカチン、ときて思いっきり龍希を蹴飛ばしてやればソファーから落ちた。



「いって〜」

「自業自得」

「あんまり騒ぐと馨ちゃん起きるよ」

「そうだよ。馨、物音1つで目ぇ覚ますんだから」



それ、寝れてねーじゃん。

……それも重なって今日みたいになったのか



「(だからか…)」

「神経質か?」

「さぁ。でも昔っから」

「ふぅ〜ん」



…甘えたり、頼ったりしねーのか。

強がってばっかで他人に入らせないよう、壁を張る。

馨にとって、俺は…俺らって何なんだろうな…。




−唯兎 side end−
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