赤い狼と黒い兎


『……ん』



目を開けると見慣れない天井が写った。

……どこ、だっけ…?

カーテンの隙間から溢れる光に少し目を細め、上半身を起こした。



『!……唯兎』



ベッドに寄り掛かって寝てる…。

体、痛そうだけど…大丈夫か…?



『…(起こした方がいい、のか…?)』



でもこのままってのも可哀想だし…。

結果、起こすことにした。



『唯兎、唯兎』

「ん〜…」



肩を揺すると小さく唸って薄く目を開いた。



「…お〜馨」



まだちゃんと頭が起きてないらしい。

なんか…仕草がかわいいな…。



『大丈夫?』

「んぁ…?…あぁ、だいじょーぶ」

『……そ。』

「馨は?」



……あたし?



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