赤い狼と黒い兎
『あたしも、大丈夫』
「ほんとか…?」
心配そうな表情であたしの頬を撫でる唯兎。
ふふ…。あたしの周りって、心配性な人ばっかだなぁ……。
『大丈夫だよ、ありがとう』
「っ!……おぅ」
…ん?なんか、顔赤いけど…。
すると“バンッ!!!”とかなりの勢いでドアが開け放された。
『(おいおい…ドア半分壊れてんじゃねぇか…)』
「馨ぅーっ!!!」
唯兎を押し退けて、亜稀羅とひまが抱き付いてきた。
…ちょ、お前ら助走付けすぎだ
「馨、ダイジョーブっ?」
「心配したんだよーっ!?」
『………ふはっ』
口元を押さえて、肩を震わせながら笑った。